研究内容

【研究概要】
本研究室では,レーザー生成多価イオンプラズマによる高出力EUV(極端紫外:extreme ultraviolet)光・軟X線光源の高効率化や水の窓軟X線顕微鏡や幅広い意味での光の偏光などに関する研究を進めています.

EUV光(極端紫外光)は,紫外線とX線の間にあり,VUV光(真空紫外光)との区別はあまりはっきりとはつけないのが普通です.EUV光は物質による吸収を強く受けるため,真空中を伝搬する光です.(一部のガスではあまり吸収を受けずに伝搬することができます.)吸収分光や光励起の研究に有効です.産業応用では,次世代半導体リソグラフィー露光用光源としての研究開発が進んでいます.詳しくは,Wikipedia拙著(レーザー研究解説論文)などにあります.

また,水の窓軟X線は波長が2.3 nmから4.4 nmの間にある軟X線で,昔から研究が盛んに行われてきた波長域です.この波長域については詳しいWebサイトもあります(例えば,ここ).水の窓軟X線顕微鏡の開発は,生物試料の高分解能観察をおもな目的として開発されており,最近では,生きたままのミトコンドリアを高分解能で観察できた報告例もありますが,私達はより小型の光源でこれを実現させようとしています.

150407パンフレット.001

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【キーワード】
EUV光源,軟X線光源,軟X線顕微鏡,CO2レーザー,ファイバーレーザー,ベクトルビーム

【研究テーマ】
■ レーザー開発(中赤外レーザー・CO2レーザーの開発,ファイバーレーザーの開発とその応用)
■ 高出力EUV・軟X線光源の開発(高効率化多価イオンの分光):波長は40 nm, 13.5 nm, 6.x nm, 2 nmから4 nm
■ 軟X線顕微鏡の開発と高度化
■ そのほかいろいろ(最近は,テラヘルツベクトルビームの検出法を開発)

 

【ちょっと詳しく】
■ レーザー生成プラズマ極端紫外光源 (6.x nm光源) [キヤノン財団国際共同研究個性化PJ他]
2014年に導入されようとしている波長13.5 nm光源によるEUVリソグラフィーの次世代,6.x nm光源の研究を開始し,放射スペクトルや変換効率などを観測してきました.現在は,光源の高効率化を研究しています.研究成果はAPLに掲載され,Nature PhotonicsNews & ViewsResearch Highlightsや各種新聞にも紹介されました.

■ 生きたままの細胞を観察するための水の窓軟X線光源の開発 [特別研究経費, 東電記念財団, 科研費他]
半導体リソグラフィー露光用光源研究を拡張し,高輝度の水の窓軟X線光源とレーザーを開発しています.

■ 表面分析用コンパクト放電光源
半導体やナノテクノロジー用薄膜材料の表面分析のためのコンパクトな真空紫外光源を開発しています.

■ テラヘルツベクトルビームの検出法と発生法の開発
テラヘルツ光の偏光を操作し,それを検出する方法を開発しています.この方法だと他の波長域にも拡張することができるようになります.

 

【実験室にあるEUV光源実験装置】
詳しくは,実験設備のページをご覧下さい.(実験装置も学生さんが組み上げています.)

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